雨の日は寝起きが悪いという人は少なくないはず。
これは「気持ちの問題」と言われがちですが、それ以外にも理由がちゃんとあるのです。
それにはセロトニンという脳内物質が関係しています。
今回は、雨の日とセロトニンの関係、そしてセロトニンを出しやすくするための方法についてご説明します。
雨はなぜ降るのか
小学生の頃に習ったような気がするけれど、忘れてしまいがちな雨が降る原理。
この機会におさらいしてみましょう。
まず、海や川の水が太陽の熱で温められて水蒸気になります。
この水蒸気は上空で冷えて水の粒となって雲を作り出します。
雲ができてもさらに水蒸気は昇り、
どんどん固まって大きな水の粒を作り出すことになり、空に浮いていられなくなります。
浮いていられなくなった水滴が落ちてくるのが、いわゆる「雨」。
この雨はまた海や川になり、水蒸気となる……を繰り返すのです。
この現象は動植物が生きるために必要なもので、雨が降らなくなると植物が育たなくなり、
それを食べる動物は死に絶え、地球の水分は全て乾いてしまって生き物がいない星になってしまいます。
そう考えると、雨の日は気分が沈むとばかりは言っていられませんよね。
雨の日に起きられなくなるのはなぜ?
生命に必要な雨ですが、なぜ人間は雨の日に寝起きが悪くなるのでしょうか。
それにはいくつかの理由が考えられます。
まず、雨の日は低気圧が生じている状態ですから、
ほんの少しですが大気中の酸素濃度が薄くなります。
そのせいで脳が酸素不足になり、すっきりしないせいで寝起きが悪くなるのです。
幸せホルモンとも呼ばれる脳内物質「セロトニン」の分泌が減少するせいだという説もあります。
セロトニンは幸せを感じたり気持ちを安定させるほか、体内時計を調整し、活動と休息のメリハリを付ける働きもあります。
セロトニンは日光を浴びることで分泌が促進されるため、
寝起きに朝日を浴びると寝覚めが良くなります。
その逆で、雨の日は日光が少なく、すっきり起きられるほどのセロトニンが分泌されないために起きられなくなるのです。
気候の変化についてはこちらの記事もご参考に!
セロトニンと睡眠の関係
セロトニンは寝起きを良くするだけではなく、寝つきを良くするという真逆の働きにも関係しています。
寝つきを良くするホルモンは「メラトニン」と言いますが、
これは夜、就寝時に分泌されるものです。
このメラトニンはセロトニンによって分泌を促進されるため、
日中に十分にセロトニンを分泌している人は、夜になるとしっかりメラトニンが分泌され、
ぐっすりと眠りに就けるようになるのです。
このように、睡眠のリズムはセロトニンに支配されていると言っても過言ではありません。
寝つきや寝起きが悪いという人は、セロトニンに着目してみることをおすすめします。
セロトニンを増やすためにできることは
セロトニンを増やすためには、まずはやはり日光を浴びること。
セロトニンの分泌に必要な光量は2500ルクスと言われていて、
これは晴れの日の日中の屋内の明るさに相当します。
曇りや雨の日だと、屋内の明るさは2500ルクスには到達しませんが、
屋外なら5000〜10000ルクスくらいの明るさはありますので、
雨が鬱陶しくてもなるべく外に出るようにした方が良さそうです。
外に出る機会が少ない人や、雨が多い季節の対処法としては、サプリメントに頼るという方法もあります。
セロトニンそのもののサプリメントはありませんが、その材料となるアミノ酸「トリプトファン」のサプリメントはたくさんのメーカーから発売されています。
食べ物から摂るなら、牛乳やバナナに多く含まれています。
また、腹式呼吸はセロトニンの分泌を促すと言われています。
こちらの動画を参考に、試してみて下さいね。
サプリメントも腹式呼吸も、寝起きの心配だけでなく、ストレスにさらされる生活をしている人にもおすすめですよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
雨の日に憂鬱になるのは当たり前のことだと思っていましたが、
ちゃんとした生物学的な根拠があることなのですね。
セロトニンの不足はうつ病の原因にもなりますから、本当に重要な要素だということがわかります。
確かに、昼夜逆転した生活を送ったり、一日中外に出ない生活を続けると、
寝つきも寝起きも悪くなるものです。
これからは、なるべく日光に当たるようにしたいですね。
もし、夜間のお仕事などで
日光に当たる時間が取れないという人は、サプリメントで対策してみて下さい。
寝つきや寝起きが良くなるだけでなく、きっと憂鬱な気持ちも吹き飛ぶはずですよ。